かつて東京12チャンネル(現・テレビ東京)が平日の夕方18:00-18:15に放送していた帯番組『ステレオ音楽館』は素晴らしい音楽番組だった。1日の放送時間は僅か15分間ながら、1週間の帯で洋楽・邦楽問わず1アーティストのステージをたっぷり取り上げてくれるスタイルは、既存の歌謡曲・演歌系音楽番組とは完全に一線を画した志向&クオリティで構成され、洋楽や邦楽ロック/ニューミュージックおよび楽器演奏に目覚めたばかりの小中学生が夕方帰宅後に思わず見入ってしまうほど、多大なる影響を与えたと思う。伝説化しているJohny, Lewis & Charの日比谷野外音楽堂ライヴも、当時人気沸騰中だった高中正義の雨の日比谷野外音楽堂ライヴも、あるいはゴダイゴや柳ジョージ&レイニーウッドのスタジオ収録LIVEもこの枠で観て、魅力にハマったことを思い出す。そして、この番組で出逢えた最高・最強のライヴこそ.......忘れもしない、1980年3月12日に東京・新宿厚生年金会館で収録されたTOTO初来日公演だ☆☆☆ その映像を.......まさかYouTubeにアップしてくださってる方がいるなんて!
既に1st Album『TOTO/宇宙の騎士』('78) 2nd Album『Hydra/ハイドラ』('79) を発売日に購入するほどのめり込んでいたものの、まだ洋楽コンサートに足を運んだことのなかった中学生の自分には、彼ら初のJapan Tourへ行く方法がよくわからなかった。それだけに、TVのブラウン管を通して彼らの演奏する姿およびレコードを遥かに凌ぐエネルギッシュな音に接することができたのは至上の喜びであり、実際それは衝撃的とも言えるステージだった。特筆すべきはデヴィッド・ハンゲイト&ジェフ・ポーカロのコンビが生みだす強烈なリズム。ハンゲイトのベースが支えるグルーヴこそTOTOを他のロックとは異なるものにし、なおかつTOTOをROCKバンドたらしめたのだと断言する。この疾走感は申し訳ないけどマイク・ポーカロでは出せない(謝)。彼がTOTOの一員として来日したこの公演を生で観れなかったのは、小僧だったとはいえ@@洋楽ファンとして最大の過ちであり、いくら後悔しても足りない。スティーヴ・ポーカロによる多彩な音とステージパフォーマンスは、ライヴBANDたるTOTOの魅力の1つだったし、デヴィッド・ペイチのピアノと歌/コーラスはTOTOの軸を形成していた。エネルギッシュな若きボビー・キンボールの着る“一番”Tシャツは修学旅行で訪れた京都で勿論GETした☆ そしてステージを縦横無尽に駆け回りながらレスポールを弾きまくるスティーヴ・ルカサー(この頃のプレイがやっぱ好きだな☆)......完成度云々だけでは語れない熱さと勢いがTV越しでも十二分に伝わってきた。特にこの週の最終日に放送された「White Sister 」「All Us Boys 」は、食い入るように観た甲斐あって(当時我が家に来て間もないBetaのビデオデッキを使いもせず......大後悔)全メンバーの仕草もフレーズもフェイクもミスタッチも叫びもいまだに細部まで覚えてるほどで(!)この2曲がTOTOへの、ルークへの、ジェフ&スティーヴ・ポーカロ兄弟への、ハンゲイトへの、ペイチへの、キンボールさんへの、そしてRockへの、洋楽への、楽器への......すべての音楽的憧れへの扉を完全に開けてくれたと言い切れる(ちなみにこの時のサポートメンバー=Keith Landry : backing vocal, guitarによる貢献は非常に大きいっ。ボビーにかぶせるハイトーンコーラスもルークとのGt.コンビネーションもお見事♪)。願わくば、当時発売を前提に収録されていたと聞くこのツアーの音源&映像を、SONY/COLUMBIAの心あるスタッフとTOTOメンバー各位の手でどうか正式に世に出してほしい(非公式には...というか海賊版ではいろいろ出回っているものの、やはりメンバーにきちんと対価を払いたいのでグっとこらえて未入手@@)。演奏面でも演出面でももっとクオリティの高いライヴは後々あったし、映像作品でもいくつかリリースされているけど、前述したようにジェフとハンゲイトによる史上最強のリズム隊を要し、若さゆえの勢いと初来日という興奮に満ちたこの1980年公演以上に我が魂を揺さぶるLIVEはないと思う(今春DVDで再発されたNIGHT RANGERの初来日公演もまさに同様の興奮と感動を収めた名作だったし、先日発売されたBILLY JOELの『STRANGER』30周年記念盤にも未発表CDやBBCライヴDVDが最高の状態で世に出てきたし、TOTOについてもゼヒ)。困難を承知で発売を夢見つつ、貴重なライブラリーをお持ちの方がUPしたこのYouTube映像でROCK BAND=TOTOの真髄をさらに深く掘り下げてみたい。本人達も観客もこんな楽しそうなステージ観せつけられたら誰だってライヴ行きたくなるだろうし、楽器持ちたくなるだろうし、演りたくなるだろうし......嗚呼、レスポール弾きたい☆
"White Sister" March, 1980, Tokyo
"All Us Boys" March, 1980, Tokyo
"I'll Supply The Love" March, 1980, Tokyo
"Tale Of A Man" March, 1980, Tokyo
"Georgy Porgy" March, 1980, Tokyo
"Hold The Line" March, 1980, Tokyo
"Mama" March, 1980, Tokyo
"Hydra" March, 1980, Tokyo
"99" March, 1980, Tokyo
なお、この公演について詳しく書いてらっしゃるページも含めて
Jeff's Worldさんのサイトは全ページ本当に素晴らしいデス☆☆☆☆☆
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