好曲[chorus]

2008.07.21

好曲[Chorus]☆「(You Can Still) Rock In America」Night Ranger

早いもので、生まれ育った三鷹市から初めて飛び出した現住所での生活も今月から5年目に突入。2004年6月末日、蒸し暑さと格闘しながら黙々と旧自宅で私物整理&荷造りをする中、目に留まった市販ビデオがあった。『NIGHT RANGER JAPAN TOUR』('84)。この、高校生当時に購入した自身初の市販ビデオ商品はVHSではなくベータ用。衝撃のデビューアルバム『DAWN PATROL(邦題:緊急指令NR)』('82)および大ヒット2ndアルバム『MIDNIGHT MADNESS』('83)を引っさげて行なわれた1983年12月13日・東京・新宿厚生年金会館におけるナイト・レンジャー初来日公演を丸ごと収録したライヴ映像には、歌・演奏・ステージングすべてに渡って「これだからロック・コンサートは最高!」と思わせてくれる素晴らしいクオリティと最高潮の楽しさが凝縮! 購入したその日から何度観たことか(アーム付きのギターを買い増したのは間違いなく彼らの影響だった♪)。それから実に20年の歳月が過ぎた梅雨の夜、引っ越しの準備真っただ中ながら急遽見直してみたくなり、まだ電源つないだままだったベータデッキに突っ込もうとテープを取り出すと......保管場所が悪かったか経年変化も手伝ってテープはビデオカートリッジ内で張り付いたり痛んだりしており@@すでに再生不可能な状態(涙)。人間そうなると益々観たい欲求にかられるもの。荷造りの手を休めてAir-H"(AIR EDGE)の刺さったMacでVHS/LD/DVDを検索するも......該当商品ゼロ。そういえば、長らくショップ/ネットで見かけたことがなかった。後悔先に立たず。

それから3年半ほど経過したある日、ネット上の複数の音楽情報サイトで「ナイト・レンジャー初来日公演の映像がDVDで復刻!」という情報を見つけて歓喜することになる。彼らの所属レーベル間の権利移行が日米でいろいろあったことから永らく市場に現れる事のなかった珠玉のライヴ映像が、粘り強く交渉を続けてくれた関係各位のご尽力もあって、再結成している彼らの08年4月来日公演に合わせて再び入手可能になったのである(拍手☆)。新たに公演時の年号を加えられたライヴDVD『NIGHT RANGER JAPAN TOUR '83(ナイト・レンジャー ジャパン・ツアー'83)』('08)には、当時ベータ/VHSで発売されていたように、成田空港到着〜移動時のドキュメント映像に始まりステージのオープニングからアンコールまで全曲余す事なく完璧な内容が収められている。ジャック・ブレイズ Jack Blades (vocal, bass) / ケリー・ケイギー Kelly Keagy (vocal, drums) / ブラッド・ギルス Brad Gillis (guitar, back-vocal) / ジェフ・ワトソン Jeff Watson (guitar) / アラン“フィッツ”ジェラルド Allan "Fitz" Gerald (keyboards)の5人によるステージは、既に1st & 2ndアルバムで実証積みの高い音楽性(歌/楽曲/演奏)はそのままに、さらにロックの醍醐味と最高のエンタテインメント性をパワーアップ! 今観ても、新人バンドとはとても思えない極上ライヴ映像にただただ感動と興奮を覚えるばかり(余談:今月5歳になった甥っ子も大のお気に入りでクルマ移動時には必ず車内で再生中♪)。ベータ発売時のライナーノーツには「歌・演奏・映像にはまったく手を加えていない一方で、あえて本場アメリカのような臨場感を出すために編集時に“歓声”を加えた」旨が書いてあったけど(良質な日本のオーディエンスの弱点をこれで補完)それがこの作品を一層“ヤバい”仕上がりにしているのは間違いない。そんな意図的演出なら“作品としてアリ”だよな。改めて思うのは、彼らが歌ウマい!ってこと。個性の異なる2人の魅力的なリード・ヴォーカリストジャック&ケリーの存在は際立っているし、さらにはブラッドを加えた3人によるコーラスワークが絶妙☆ どの曲でもよくハモる、ハモる。ナイト・レンジャーと言えば“最強ツイン・ギターBAND”としての側面ばかりが強調されがちだったけど、人気獲得の理由は勿論それだけじゃなく、歌・コーラス・作曲能力・アレンジセンス(自分はブラッドの作るギターリフに一番惹かれたタイプ)まで含めた音楽的才能の高さにこそあったと思う(それがコアなHR/HMファンからの批判やレコ社の間違ったマーケティング/制作方針につながったのは悲劇だった......orz)。このライヴDVDは、かつて彼らの音楽にとことん酔いしれた人にも、ヒット曲しか聴いた事のない人にも、そしてまだ彼らを未体験のすべての新旧Rock/Pops/音楽ファンにも堂々とおススメしたい歴史的名作として太鼓判押しちゃおう♪ ここに彼らのあるべき本当の姿・魅力があるので。真の意味でのベスト盤と言い切ってもイイ。嗚呼、再び世に送りだしてくれて本当に良かった。

LIVE DVD『NIGHT RANGER JAPAN TOUR '83
SIBP-109 08.4.16 on sale
01. オープニング Opening
02. プレイ・ラフ Play Rough
03. 悲しみのペニー Penny
04. ルーマーズ・イン・ジ・エア Rumours In The Air
05. エディズ・カミン・アウト・トゥナイト Eddie's Commin' Out Tonight
06. コール・マイ・ネーム Call My Name
07. パッション・プレイ Passion Play
08. タッチ・オブ・マッドネス Touch Of Madness
09. シスター・クリスチャン Sister Christian
10. シング・ミー・アウェイ SIng Me Away
11. ナイト・レンジャー Night Ranger
12. キャント・ファインド・ミー・ア・スリル Can't Find Me A Thrill
13. ドント・テル・ミー・ユー・ラヴ・ミー(炎の彼方) Don't Tell Me You Love Me
14. アット・ナイト・シー・スリープス(彼女の夜) At Night She Sleeps
15. ロック・イン・アメリカ (You Can Still) Rock In America
16. エンディング Ending


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2008.07.14

好曲[chorus]☆「Help Me Through The Night」Eagles

幼少時からノストラダムスの予言を真剣に信じて21世紀の到来など全く考えずに生きてきた自分が「もうこれで思い残す事は何もない」と心の底から思った出来事......それが1994年、米国『MTV Unplugged』の企画で実現したイーグルスの再結成だった。洋楽に目覚めた時にはバンド崩壊寸前の状態でアルバム『LONG RUN』('79)を発表して(それでも内容は素晴らしかった)ツアーを行っている頃だった。その後、明確に解散を公言しないままグレン・フライが『NO FUN ALOUD』('82)を、ドン・ヘンリーが『I CAN'T STAND STILL』('82)をそれぞれ1stソロ・アルバムとしてリリースするに至って“終焉”を悟ったものの、イーグルスとしての新作やステージに二度と接する事ができない悲しさ/寂しさ/悔しさばかりが強く残ってしまった。各メンバーのソロキャリアにおける作品も自分にとっては愛すべきものばかりだったし、再結成などありえないと諦めていた分、表面的には満足していたと思う。それでも......“その日”が来た瞬間、これまでにない興奮を覚えながら再結成を歓迎する本心に気づいたんだよなぁ。活動停止前の最終メンバー=ドン・ヘンリー/グレン・フライ/ジョー・ウォルシュ/ドン・フェルダー/ティモシー・B・シュミットの5名に、サポートメンバー数名とオーケストラも加わって1994年4月25-26日に収録されたステージは、14年間の“活動休止”期間におけるメンバーの成熟ぶりがすべてプラス方向に反映された歴史に残る素晴らしい歌と演奏に満ちていた。この日に向けて新たに書き下ろされた4曲のナンバーをスタジオ収録した上で、それらとMTV LIVE音源で構成されたアルバム『HELL FREEZES OVER』('94)は、まさに音楽界の永遠の宝として大切にされるべき1枚。アコースティック・セッション、オーケストラとの共演、バンド・セッション、いずれの形態における歌と演奏も、スタジオ作品以上に高い緊張感とクオリティで収録されているし、なによりメンバー達自身による卓越したコーラスワークにはただただ感動するばかり☆ 楽器の数が多かろうと少なかろうと、重なり合う声の織りなすハーモニーさえあればこんなに音楽は豊かに響くのかと思い知らされる(イーグルスに限らずキリスト教文化を背景にした欧米のバンドの多くは美しくかっこいいコーラスワークを駆使していて、これこそ日本のロックバンドが軽視しがちな音楽的要素なのかもしれない)。そんなメモリアル・ライヴの映像作品がCDからわずかに遅れて登場した際、我々は再び深い感動に浸ることになった。音声だけでも心を震わせられたのに、さらに歌い演奏するメンバーの雄姿を目の当たりにして、再結成が本当の出来事であると視覚的に追体験したのだから。そして「Wasted Time(時は流れて)」「I Can't Tell You Why(言いだせなくて)」「New York Minute」「Desperado(ならず者)」でつたないながらも美しいピアノ/キーボード演奏をこなすグレン・フライ、「Tequila Sunrise」でのマンドリンや「Love Will Keep Us Alive」でのペダル・スティールなど多彩なギター・テクニックを職人的に披露するドン・フェルダー、変幻自在のギター・プレイに加えて「I Can't Tell You Why(言いだせなくて)」ではオルガンでのバッキングまで担当しているジョー・ウォルシュの映像を観て、それぞれの曲の演奏が一層いとおしく感じられるようになった。様々な楽器を弾きながら複雑なコーラスパートも担う彼らは、真のミュージシャンだなぁと尊敬の念を深めずにいられなかった。打ち込みやサンプリングも否定はしないけど、こうした生身のミュージシャンが奏でる音楽に接してしまうと、どちらにより深い感動を覚えるかは明白な気がする。新曲4曲のライヴテイクと、ジョー・ウォルシュがバンド活動停止前からイーグルスのツアーでも披露していたソロ作「Help Me Through The Night」、J.D.サウザーと共作したドン・ヘンリーSolo活動のヒット曲「The Heart Of The Matter」はCD版には収められていないし(それにしてもドン・フェルダーの存在の何と大きなことか......彼の現ラインナップ復帰をつい望んでしまう)この映像版はいくら見続けても飽きる事のない不朽の名作。VHS版、LD版に続き、こうしてようやくDVD版を購入したことだし、肌身離さず一生そばに置いておきたいと思う。願わくば、自分がこの世を去るときが訪れた際には、本作をエンドレスで流していただきたく☆

#HMVでは国内盤DVDをいまだ購入可能。Amzonでは現在輸入DVDのみ取扱中。



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2007.04.30

好曲[chorus]☆「Look What You've Done To Me(燃えつきて)」Boz Scaggs feat. The Members of Eagles

洋楽を聴き始めた頃にTOTOデビュー作と遭遇した自分が、彼らと密接な関係にあったボズ・スキャッグスに辿り着いたのはごく自然の流れ。TOTO/Airplay人脈を中心に制作された彼の中期作品には、何とも言えない想い入れがある。その中で、オリジナル・アルバムではないものの、重要な位置を占めていたのがオリジナル未収録の新曲とヒット曲で構成された当時のベスト盤『HITS!』('80)。肩パッドがガッツリ入った濃桃ジャケットを纏うボズのカメラ目線ポーズがジャケット表1に採用されたこのアルバムは、同年発表された『MIDDLE MAN』('80)と共に、90分カセットテープのA面/B面にそれぞれ収めて(このスタイルの何と懐かしいこと!^^;)死ぬ程聴いた記憶がある。この作品を発表してから『OTHER ROADS』('88)を発表するまでボズは音楽活動を止めてしまったから、余計に“ありがたみ”があったワケで。アルバム収録曲は、新曲2曲こそ共通なれど、その他の収録曲はマーケット事情の違いなどから曲順含め国内盤と米国盤では微妙に異なっていた(中高生の頃は知らなかったけど)。学生時代までカセット+ウォークマンで(免許取得後はカーステでも)で聴いていたのは勿論国内盤。世代的に『MIDDLE MAN』でボズに出逢った自分は、名盤『SILK DEGREES』ではなくこの『HITS!』で「Lowdown」や「Lido Shuffle」を知り(そして、そのまま『SILK〜』を全編通して聴く事なく過ごしてしまった...orz)さらにその前後に制作された佳作「Hard Times」「Hollywood」の魅力にも気づく事ができた。数年後、社会人になってからカーステ用に買い直したCDは輸入盤だったため、トラックリストも米国仕様。国内盤の曲順/曲目がカラダに染み付いていたため、最初はスゴイ違和感@@ でも聴くうちに米国盤のみ収録の楽曲群から違ったボズの一面を感じたのも事実。いわゆるAOR色ばかりが強調される日本とは違う、本国での彼のイメージに沿ったものだったということか。

さて、近頃はiPodなどで所有するCD音源をランダム再生で楽しむ機会が増えたものの、音圧の違いなどが露骨に出て気になることも多い。ボズの音源についてもそうだった。前述の『HITS!』輸入盤などはいわゆるCD化初期のもの故、かなり音圧低く、音のヌケも良くない。そんな中、数年前にいち早く『MIDDLE MAN』が本国でデジタル・リマスターを受け再発されたので、即飛びついた。ジェフのDrumsもルカサーのGt.も見違えるほど歯切れが良くなり、全作(もしくは主要作品だけでも)に施してほしいと思ったのは当然の話。すると、紙ジャケ再発ブームに沸く日本では一昨年('05)、ボズのCBS SONY/Columbia時代作品群が日本でDSDマスタリングした音源にて紙ジャケ仕様で発売された(『MIDDLE MAN』のみ前述米国リマスター音源)。ただ、これは日本サイドの作業なので、音圧こそ上がってるはずなれど、やや購買意欲に欠けた(紙ジャケ信奉者でもないので余計にネ)。なので、米国からのリイシュー情報を待ち続けていたところ・・・'06秋に突如現れたのが、ボズ本人監修のもと、5曲追加&デジタル・リマスターされた『HITS! -Expanded Edition-』!!!!!! 収録曲は従来の日米双方のリストをうまくミックスした印象で(旧国内盤のリストからは「Hollywood」「You Can Have Me Anytime(トワイライト・ハイウェイ←すごい邦題...@@)」が惜しくもカット)、なおかつオリジナル『HITS!』発売から8年後にリリースされた『OTHER ROADS』から最初にシングルカットされた「Heart Of Mine」(作曲者Bobby Caldwellも後にセルフカヴァーしてるけど、個人的にはボズversionがお好み♪)も追加収録された。ボズ自身が立ち会ったというだけあって、音質は飛躍的に改善され、各曲を支える名演奏のディテールが今更ながら耳を刺激してくれる。そう、こんなリイシューを待ってたんだよ!ってカンジで、米国音楽業界のポテンシャルの高さを再認識(お手軽手抜きリイシューのほーが圧倒的に多いけど^^;)。

この新装『HITS!』でも、購入動機の最たる部分は、ここでしか聴けない2曲の存在であることに変わりナシ。まずは'80年発売当時、未発表の新曲だった「Miss Sun」♪ TOTOの20周年記念盤『TOTO XX』には彼ら自身による未発表デモversionが収められてたけど、それを気に入って取り上げたというボズversionは今聴いても超カッコいい。ハンゲイト/キンボールを除く当時のTOTOメンバーがシンプルな演奏で淡々と繰り広げるセッション的雰囲気にボズの歌がハマりまくり。大人だなぁ。そして、本作が“収録アルバム”となるもう1つの曲、それが今日触れておきたい珠玉のバラードナンバー「Look What You've Done To Me(邦題:燃えつきて)」☆ 同年リリースの『MIDDLE MAN』からもサンタナのギター・ソロが泣けちゃう「You Can Have Me Anytime(トワイライト・ハイウェイ)」が大ヒットしたけど(CMにも使われたっけ)、トラボルタ主演映画『アーバン・カウボーイ』のために作られたこの曲もヒジョーに渋いっ。いわゆるアコピとエレピを重ねた典型的デヴィッド・フォスター色のピアノ・アレンジをベースに仕上げられたこの曲は、ジェフ&マイクのポーカロ兄弟による堅実リズム隊とルカサーのGt.が土台を築き上げている上に、もう1つエポックメイキングなコラボレーションが実現。何と、ジョー・ウォルシュを除く当時のイーグルスの面々が揃って参加してたんだよな〜〜〜(感涙)。西海岸ロックに最も洗礼を受けた自分にとって、EaglesとThe Doobie Brothersってのは、TOTO/Airplayと並ぶもう1つの音楽的支柱ゆえ、この曲で実現した共演というのは、贅沢過ぎるほど。デジタル・リマスターで蘇った音源に改めて耳を傾ければ、ドン・ヘンリー/グレン・フライ/ティモシー・B.シュミットの3人から生みだされる、美しくも哀愁に満ちたハーモニーってば、典型的なイーグルスWORLD。彼らがひとたび"Wooo"とハモってしまえば、あの空間が即座に現れてしまうんだから凄いと言うほかない。さらに、大人のロックを仕上げる重要なピースとして、ドン・フェルダーのギターがルカサーとは明らかに異なるまろやかで味わい深い音色を奏でるのだから、ボズの歌が余計に胸に突き刺さる。やっぱ名曲だ、コレ。この曲と「Miss Sun」のために買ったと言いきれる『HITS! -Expanded Edition-』は当分愛車ルーテシアに常駐させておく事になるかも♪ 嗚呼、燃えつきそう(笑)。
#今回新しくなった渋〜いジャケット表1写真は、いよいよ高田純次になっちゃったカナ^^;

#『HELL FREEZES OVER』('94)で奇跡の復活を遂げたイーグルスの5人だったけど、現在の活動には残念ながらドン・フェルダーが参加していない@@ 彼のギターが欠けてしまっては、あの世界は成立しないと思っている(なので、前回の来日公演は熟慮の末に行かなかった)。本人達の事情がいろいろあるとは思うけど......いつかまた同じステージに立ってくれれば。で、噂のスタジオ録音新作(!)はほんとに米国ウォルマート系列でしか発売しないんだろーか(++) 日本のレコード会社各位、対応策を是非。

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